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くるくる保健室No.13 『あなたのお花畑は綺麗に咲き誇ってますか!?』

くるくる保健室Noなし

私たちの腸の中には500種類100兆個以上もの細菌群がまるでお花畑のような生態系を形成しているため、「腸内フローラ(腸内細菌叢)」と呼ばれております。

腸に棲む菌の種類は大きく分けて3タイプに分けられ、人体に有用な働きをする善玉菌、逆に有害な菌を悪玉菌と名付け、そのどちらでもない日和見菌の3タイプです。

 最近の研究ではDNA解析の進歩により全遺伝情報(ゲノム.)を解析できる様になり、それによって「メタゲノム解析」という方法が開発され、新たな細菌の種類やその働きも分かってきました。 腸内フローラは、人それぞれ異なり、どんな菌がどのようなバランスで生育しているかを調べることによって、病気の予防や体質改善に役立つ可能性が広がり、食事の内容やストレス、健康状態、生活環境によって変化するといわれる腸内フローラは肥満や加齢とも関係が深く、がん(癌)、糖尿病、動脈硬化、高血圧等の様々な病気に関わっていると言われております。 また認知症や精神疾患との関係も深く“腸は第二の脳”と言われる様に神経伝達物質を多く生成していて、脳の働きにも影響を与えると言われている腸(大腸)を今回は取り上げさせて頂きたいと思います。

私たちの健康を大きく左右する腸内フローラは、残念ながら60歳をピークに年々悪玉菌が優勢になっていく人が多いようです。 そもそもヒトは、母親の胎内にいる間は無菌状態に保たれており、この世に生を受けた瞬間から、皮膚や消化管などの粘膜に細菌が増殖し始め、生まれた3~4時間後には早くも体内に大腸菌や腸球菌が現れ、生後3日を過ぎた頃からビフィズス菌が増えて、母乳で育つ乳児の腸は100%近くビフィズス菌が占めるようになります。 という事は、ほぼ善玉菌だけで埋め尽くされ、便は臭くなく、ヨーグルトのような甘酸っぱい臭いと黄色い色が特徴です。 しかし、離乳とともに徐々にビフィズス菌が減って20%程度になり、種類も変わり、日和見菌や悪玉菌の割合が増加していくそうです。 この離乳時に、そのヒトが持つ腸内細菌の種類がおおよそ決まりヒトによって菌の顔ぶれは違い百人百様ですが、健康を維持するには善玉菌:悪玉菌:日和見菌の最適バランスが2:1:7がいいようです。 しかしながらこの最適バランスが60歳位になると、大きく様変わりし、善玉菌の代表格であるビフィズス菌がグ~ンと減少し、悪玉菌の代表格である大腸菌とウェルシュ菌が増えると言われ、老年期になると10人に3人の割合でビフィズス菌を全く持たない人までいるとかいないとか!? 悪玉菌のウェルシュ菌は強い臭気を放つので、便が酷く臭うようになったら要注意ですね! そういえば親父の後からトイレに入ると臭くてたまらんかったなぁ!僕も最近子供に「パパの後は臭いからトイレに入るのがやだーっ!」と言われるようになったという事は腸内細菌のバランスが悪いのかも・・・。(笑)

便の話が出たのでここで驚くべき治療法が2013年にオランダの研究グループから報告されました。 それは“便移植”というもので、健康な人の便50~200gを生理食塩水と混ぜ100㏄の便ジュースを作りこれを偽膜性腸炎という腸管感染症患者に対して投与すると通常の抗生物質治療よりも治療効果が高いことが報告されました。 日本でも慶応大学医学部のグループがクローン病や潰瘍性大腸炎、過敏性腸症候群などの腸管関連疾患患者に対して、便移植治療が効果があるかどうかを調べる為の臨床実験を実施していますし、アメリカでは便はすべて注入するのではなく、必要と思われる腸内細菌をピックアップしてカプセルに入れて薬として使用する研究も始まっています。

便つながりでもうひとつ便の話をしたいと思います。 皆さんは朝トイレで用を足すとすぐに流してしまいますよね!出来ればすぐに流さず自分の便をじっくり見て下さい。 「便所」とは“身体からのお便りを受け取る所”という意味があったそうです。 自分の健康状態が、最もよくわかる場所なので見ないで流してしまうのはもったいないですよ!腸の健康状態をチェックし病気のサインを見落とさないようにしましょうね。 中には便日記を付けてセルフモニタリングして自分の便の状態を把握している方もおられる様です。 便の約8割は水分で残り2割が小腸の粘膜がはがれおちたもの、食物繊維など消化されなかった食物、腸内細菌の死骸の3つで構成されております。 ですから食べた物がそのまま便になっているわけではなく、何も食べなくても便は出るそうです。 便秘で困っていらっしゃる方も多いと思いますが、医学的には統一された定義はないそうですが、総合的に判断すると3日以上排便がない状態を便秘といっていいそうです。 本来なら毎日出るのが基本ですが、中には毎日排便がするのにあるいは下痢はあるのに、用を足した後にお腹に残便感や膨満感がある場合は腸内に便が残っているサインなのでこれも便秘として捉えていいそうです。

《便を読み解く5つのポイント》

Ⅰ.硬さ

便の硬さは実際に手で触れて確かめるわけにもいかないので、国際的な指標として『プリストルスケール』という分け方があります。 最も硬いコロコロから水様まで全部で7段階に分かれており、③~⑤の範囲内ならば正常な硬さとされています。 理想は適度な軟らかさのバナナ便ですが、便の特徴をチェックするときに重要なのは、いつから変わったかということで、年単位など、長期間に続いている特徴ならば、深刻な病気の可能性はそれほど高くないですが、硬さに急な変化があった場合は要注意です。 いつから、どのように変わったのかを自分で把握するようにしておき、主治医に伝えてくださいね。

 ⓵コロコロ:ウサギの糞のようにコロコロとしていて硬い。        長時間腸内に留まっている為、水分量がかなり少ない。        便秘の人に多いタイプ。

 ②硬い:ソーセージ状ではあるが、短く固まった硬い便。      表面にははっきりとしたひび割れが見える。      イヌの糞に近いイメージ。

 ③やや硬い:水分がやや少なくなった為、表面がひび割れているセージ状の便。        基本的には正常の範囲内。

 ④普通:バナナ状で適度な軟らかさの便。      排便後にお尻を拭いた時に、トイレットペーパーにあまり便が付着しない。

 ⑤やや軟らかい:水分が多くハッキリとしたシワがある、やや固形の便。           トイレットペーパーに付きやすい。           水に沈んでも崩れない。

 ⑥泥状:形のない泥のようなベチャベチャした便。      腸内に留まる時間が短い為、水分が多めに残っている。

 ⑦水様:水のような便、殆ど固形物を含まない液体状。      水分が90%以上を占める。      色も黄色に近い。


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 Ⅱ.形

理想的な形状はバナナ状でひび割れがあまりないものがいいとされています。 加えて、形を見るうえでは、便の太さも必ずチェックしましょう。 個人差はあるものの、一般的には直径2~3㎝程度が標準的な太さとされています。 さあ、ここで問題です!太い便と細い便とでは注意するべきなのはどちらでしょう? 答えは後ほど・・・。

太い便がきれいに出ているのは、腸の動きがスムーズで、排便を阻害する異常がない証拠です。 便が以前より太くなったという場合は心配無用です。 痔がある場合などは、便が細くなったほうが排便時の苦痛が減って、楽になるかもしれませんが、しかし、その裏にはより深刻な病気が隠されている恐れがございます。 腸の健康状態を推察する上で、注意すべきなのは断然、細い便のほうです。 便が細くなることを医学的には「便の狭小化」といいますが、これは大腸がんの代表的な兆候の1つです。 腸内で腫瘍が大きくなると、便の通り道が徐々に狭められて便がヒモの様に細くなることもあります。

Ⅲ.色

我々が目にする便が茶色をしているのは、胆汁が混ざっているからです。 胆汁は肝臓で作られる黄褐色の液体で、胆嚢に一時的に貯蔵された後、十二指腸での脂肪の消化吸収に利用される。 その一部が腸内で便と混ざり合って茶褐色を付けます。 胆汁は濃度が濃くなると、やや緑がかった色合いになります。 茶色から、少し緑色の便ならおおむね正常な便といえます。 色の濃淡に関しては、腸を通過する時間が長いほど、濃い色となり、理想的な色は薄い茶色程度です。 よって便秘だとかなり濃い茶色になります。 腸内に留まる時間が短く、水っぽい便では胆汁の色は薄く、黄色っぽい便になります。 また、やや白い便は脂肪の摂り過ぎ、黒っぽい便の場合は肉の食べ過ぎの可能性があります。

Ⅳ.臭い

便の臭いを左右するのは、腸内細菌のバランスです。 いわゆる悪玉菌が増え、腸内環境が悪化すると、便の臭いはきつくなります。 悪玉菌がタンパク質を分解するときに、アンモニアや硫化水素、インドール、スカトールなどの悪臭物質を発生させるからです。 つまり、便の臭いがきつければ、腸内環境が悪化している可能性が高いです。 前述もしましたが、新生児の便というのは、ビフィズス菌ばかりで腸内環境がよく殆ど悪臭がありません。

悪玉菌と呼ばれる細菌群は我々の身体には不可欠な存在であり本来なら悪も善もないのですが我々が勝手にそう区別しているだけで身体の中では共生を計っています。 年齢とともに増加し悪臭を放つ悪玉菌ですがその度が超えた時に悪さをし身体を蝕みます。 最近の研究では悪玉菌が発生させる悪臭物質には発がん性があることが分かりました。 大腸がんだけではなく、非アルコール性脂肪肝炎という病気も進行すると肝硬変から肝臓がんにつながる病気も発生のメカニズムには不明な点も多いものの腸内環境の悪化が血液を経由し肝臓にも波及するのではないかと目されています。

Ⅴ.量

排便時にどれくらいの量が出たかを気にしている人は多いと思いますが、便の量は食事の内容や量などによる個人差が大きい。 便の量が多いことに心配は御無用です。 腸が健康な人であれば1日3回、しっかりとした量の便が出ることも珍しくありません。一方、量が少ないと感じる場合には便秘の兆候と考えたほうがいいようです。 量にかかわらず、むしろ、排便後のスッキリ感の有無に注目してください。 お腹の中に便が残ったような感覚や、お腹の張りがある場合は便秘と考えられます。 また、回数は多いのにスッキリ感が得られない場合も同様です。 1日に何度も下痢をするのにスッキリ感がないというとき、実際には腸内にまだ便が溜まっていることもあります。 このケースで安易に下痢止めを使うと、便秘がさらに悪化する恐れがあるそうです。

《こんな便が出たら、病気かもしれません!?》

 ★白い便      疑われる病気:    (胆嚢癌・胆管癌・膵臓癌)

 便の色が完全に白い「白色便」の場合には、胆嚢から胆管を経由するルートのどこかに、胆汁の流れをせき止める異常があるかもしれません。 胆汁の流れを阻害する大きな病気としては、胆嚢癌、胆管癌が挙げられます。 また、胆管は最終的に膵臓から出る膵管と合流し、十二指腸に繋がります。 膵臓癌がその合流部を塞いだ場合も、便が白くなることがあります。 胆汁がせき止められている場合、顔や白目が黄色くなる閉塞性黄疸を伴います。

★黒い便      疑われる病気:    (胃潰瘍・十二指腸潰瘍・胃癌)

真っ黒で、海苔の佃煮のようにドロッとしたタール便では、胃や十二指腸からの出血の可能性があります。 胃潰瘍などによってじわじわと出血が続いている場合、腸を通過する間に黒く変色します。 そのため、便が黒くなるのです。 また、心筋梗塞や脳梗塞を予防する抗凝固薬や、リウマチ、腰痛などの痛み止めの服用が、胃からの出血を招いて便を黒くすることもあります。 タール便は基本的に2回以上続けて出るのも特徴です。 速やかに専門医の診察を受けてくださいね。

★赤い便      疑われる病気:     (痔・大腸癌・潰瘍性大腸炎)

 血液は時間経過とともに黒く変色する性質を持っています。 したがって便が赤い場合は、黒い便の場合よりも肛門に近い部位からの出血が疑われます。 代表的なものとしては痔が挙げられますが、以前から痔持ちだからといって、出血の原因をそれだけだと決めつけるのは危険です。 痔の有無にかかわらず、便器が真っ赤になるほどの出血があるようなら、大腸癌の恐れがございます。 自分で安易に判断せず、病院で内視鏡検査などを受ける必要があります。 大腸癌の他に赤い便が出る病気としては、安倍総理の持病としても知られる潰瘍性大腸炎があります。 原因は特定されておりませんが、激しい下痢や下血を伴うのが特徴です。 潰瘍性大腸炎の平均発症年齢は25歳といわれておりますが、決して若者だけの病気ではなく、2番目に発症例の多い年代が60歳頃です。 中には80歳で初めて発見されたケースもあり、年齢を問わない病気ともいえます。 ここで余談ですが、安倍総理は第一次安倍内閣時代この潰瘍性大腸炎で辞職致しました。 いかし現在はG20から帰国するなりまたすぐさま、APECやASEAN首脳会議と精力的に世界を駆け回っております。 果たして彼の病気は治ったのでしょうか?あれだけ元気になったという事は症状が緩解したか治癒したかそれとも治療を継続しながらいい状態を維持しているのか?!噂によると首相官邸にラドン吸入器を持ち込んで鼻から放射線のα波でありますラドン線を吸入し専属の看護師さんをいつも常駐させていると聞いております。 それによって総理の健康状態をいい状態に維持しているようですよ・・・。 とにかく再発だけはしてほしくないですし、前回のように途中で辞職することなど無いよう体調管理に是非気を付けていただきたいですよね! すいません途中で話が脱線して。

《腹痛は腸からの緊急メッセージ》

★押して離すと痛い・・・虫垂炎かも?

お腹を押した手を離すと、ビリビリとした鋭い痛みが周囲に響くように走る。 歩いた時にも、その振動で痛みが響きます。 この場合、虫垂炎などが悪化して、腹膜炎を起こしている可能性があります。 腹部全体が硬くこわばっているのも特徴です。 胃や腸などの臓器を覆う腹膜内に細菌が広がっており、最悪の場合は敗血症につながって死に至ることもあります。 一刻も早く治療を受けなくてはなりません。

★押すと痛い・・・便秘かも?

健康な腸であれば、手で軽く押した程度で痛みは感じません。 しかし、腸内に便がたまった状態だと、痛みや張りを感じることがあります。 特に小腸の出口周辺の盲腸、右側上部の右結腸曲(肝湾曲)、左上部の左結腸曲(脾湾曲)、直腸手前のS状結腸の4ヶ所は大腸が大きくカーブしている為、便の流れが滞りやすいです。 上記4ヶ所あたりを押して痛ければ、硬い便が残っている可能性があります。

★キリキリと痛む・・・過敏性腸症候群?

腸の炎症や潰瘍などがないにもかかわらず、腹痛や下痢、便秘を繰り返す病気です。 比較的若い世代に多い。 いつ腹痛や便意に襲われるかわからず、停車駅の間隔が長い急行や快速に乗車できなくなるため、[各駅停車症候群]と呼ばれることもあります。 ストレスを受けた際に腸が過敏に反応して信号を発し、下痢などを起こさせます。 近年では腸からの信号をブロックして症状を和らげるタイプの薬が使用されております。

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 《遅発型フードアレルギー》

 チェックリスト・・・以下当てはまる箇所にチェック(レ)をいれてみて下さい!

食生活編

□卵をほぼ毎日食べる

□乳製品をほぼ毎日食べる

□食事のメニューがいつも一緒である

□毎日欠かさず食べる食べ物がある

□好き嫌いが激しい

□最近になってよく食べるようになった食べ物がある

□特定の食べ物・飲み物で消化不良を起こす

体調編

□肌荒れや湿疹がよく出る

□花粉症、喘息、アトピー性皮膚炎などのアレルギー症状がある