くるくる保健室No .21『御塩とのご縁!塩梅はいかがですか?』


くるくる保健室Noなし

これまでに、くるくる保健室には油・水について寄稿させて頂きました。 私が考える健康に影響を与える身体にとって必要な食材の最終章「塩」について今回はお話しさせて頂きたいと存じます。 この記事がアップされる頃には梅雨も明けおそらく夏本番といった頃になるだろうと予想されます。(この記事を書き始めた日は平成30年6月14日) きっと、巷では熱中症に氣を付けるようにと各メディアこぞって発信しているでしょうね。「充分な水分と塩分をしっかり摂りましょうね!」と水分はナチュラルミネラルウォーターがいいですしそこに塩分の入ったスポーツドリンクを摂取すれば一石二鳥になりますよね。 しかし、塩分と言っても非常に抽象的ですし解っている様でいまいち的確に答える事が出来る人は少ないのではないでしょうか。出来る事なら身体が元気になるいい塩を摂って病気に罹りにくい塩分を摂取したいですよね。(今年の梅雨明けは観測史上初めて6月中に明けてしまった(泣)実際は6/28でした。早くこの原稿を書き上げアップせねば・・・急げ~)

それでは冒頭から皆さんに質問です。  「高血圧は減塩すれば治りますか?」

世の中は減塩ブームがかなり続いております。最近では減塩醤油や減塩味噌等がスーパーの調味料売場の棚を席巻しております。個人的には塩分12%以上の塩っ辛い梅干しが好きなのですが、減塩ブームのおかげでそんな塩っ辛い梅干しを探すのが一苦労です。

日本人の食事摂取基準では塩分の摂取を男性1日8.0g未満女性7.0g未満を目標に設定しており、実際の塩分摂取は平成25年の国民栄養調査では男性1日11.1g女性9.4gでかなり目標量を上回った摂取量になっております。これでは、日本人の高血圧罹患率は上昇の一途をたどるに違いないですね?!

我々の身体の約60%以上は水から出来ていると言われておりますが、その成分には塩氣が含まれております。涙や汗はしょっぱいですし胎児がお腹で過ごす羊水もしょっぱいそうです。 遙か大昔、生命は海から生まれたと言われています。我々ヒトも魚だったと言われていますよね!「海」という漢字は「水」「人」「母」と書きます。すなわち、「塩」とは=『いのちの源』そのものなのです。ですから、世界中の文化において塩を使った儀式が多数存在し邪気というプラスの電荷を帯びた有害なエネルギーを追い払うために塩が撒かれました。 日本では玄関に盛り塩をして結界を張ったり、神棚にはお酒と水、塩を太古の昔からお供えしておりました。科学的には塩の持つマイナスの電荷が邪気を中和させるために行っていた宗教的な儀式だったそうです。 また、昔の人達は体調を訪ねる時に「○○さん、最近塩梅はどうかい?」と訪ねていたそうです。これは、言い換えると最近のあなたの塩氣は足りていますか?と聞いており、どうやら我々の身体と塩との関係は切っても切れない密接な関係がありそうですね。

それではここからは、身体にとって大切ないい塩とは一体どんな塩なの?という事でお話を進めさせていただこうと想います。 先ずは「塩」についてきちんと定義しておかなければなりませんので、おそらく、ほとんどの人が「塩」と「食塩」は同じものだと思われているでしょう。また科学を勉強された人は、「食塩とは塩化ナトリウム(NaCl)のことである」と認識されていると思います。広辞苑によりますと、「塩とは塩化ナトリウムの俗称である」と書かれてあります。 しかし塩には、塩化ナトリウムだけが含まれているわけではありません。 古来、日本において塩は海水をまるごと凝縮して作るものでした。そうやってできた塩には主成分である塩化ナトリウムのほかに、所謂「にがり」の成分である塩化マグネシウム、硫酸マグネシウム、塩化カリウムや硫酸カルシウムなどの少量成分が含まれていました。 また、そういう塩には微量成分として、塩素、カルシウム、リン、イオウ、カリウム、マンガン、アエン、コバルト等の海水中の様々なミネラルが含まれています。

元・名古屋市立大学教授の青木久三先生は『逆転の健康読本』より「減塩信仰が新しい病気『塩なし病』を生み出している」と述べており、塩の摂りすぎよりも、塩の不足の方がむしろ心配されております。

下記の症状があれば✔をいれて下さい!

□体が冷える

これらの症状に1つでもチェックの入った方は塩分不足を疑います。

しかしながらこれらの症状が出ていても塩の不足から生じている症状だと分かっている人氣付いている人は非常に少ないと想いますし、またそれを指摘して下さるお医者さんも非常に少ないというのが実状ではないでしょうか。

先程からも再三述べている様にここでいう「塩」とは食塩(塩化ナトリウム)ではなく、海水に含まれているミネラルを凝縮した「海のエキス」のことであるという事は今回のお話しの最大のポイントですのでお忘れなく。 塩の主成分はナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、塩素、イオウです。 これらのミネラルはチームで働いて、我々が生きていくうえでとても重要な下記のような生理機能と関係しています。

①体液量や水分の調整 ②体液の浸透圧を一定に維持 ③体液のphを弱アルカリ性に調整 ④血圧の調整と血液の循環 ⑤食物の消化と栄養の吸収 ⑥神経の興奮と鎮静 ⑦筋肉の収縮と弛緩 ⑧有害物質の解毒

我々地球の生命体は海から生まれ、陸に上がる様に進化した際に海を体内環境に取り込んできました。だから血液や体液のミネラル成分は海水に極めて近いのです。だから塩が不足すると、血液の塩分濃度が薄まり、貧血状態になります。体内環境が乱れると、赤血球なども住みにくくなるのです。極端な塩の不足は死に直結します。 ですから、我々の身体には塩分を恒常的に保持しようとするシステムが強力に働いております。口から摂取した塩分は必要なだけ吸収され、さらに腎臓において足りない塩分は回収され、余分な塩分は排泄する仕組みになっております。人体にとって塩がいかに大事なものか。それは身体の仕組みに現れているのですね。

<熱中症対策>

まさにこれからの季節は炎天下でスポーツをしたり、労働をしたりすると、「熱中症」になることがあります。熱中症も重度になると死に至りますので、特に子供やお年寄りは氣を付けなければなりません。 熱中症にもしなったときには、まず、「水分を補給しよう」といわれますが、実際は水分だけ補給していてもダメで塩分の補給が大事です。水分を補給して塩分をとらないと、どうなるかといいますと、血液の塩分濃度が薄くなり、身体は血液の塩分濃度を一定に保とうとするため、さらに水分を汗や尿として体外に排泄しようとします。そうなるとさらに水分が少なくなり、脱水症状を起こして、熱中症が重症化することになり、中には熱痙攣を起こすこともあります。 最悪の場合は死亡するというケースになり毎年何人もののお年寄りが亡くなったというニュースが流れますよね。ですから熱中症の回復・予防には、水分だけではなく塩分の補給をお忘れなく!薄い塩水を飲んだり、水と共に塩を舐めたりと言ったことを心掛けて下さい。 若者に人気のスポーツ飲料は、水分と塩分の補給は出来便利なのですが、糖分を大量に含んでいる為ペットボトル症候群に罹りやすくなるためあまり推薦できません。 聞いた話なのですが町のお蕎麦屋さんはお客さんの服装を見て例えば作業服を着ている若者であればそばつゆを濃いものにしたり、スーツ姿のサラリーマン風の方にはやや薄めのそばつゆを出したりとその方々のお仕事や生活様式を考慮しながら微妙にそばつゆの濃度を調節しているという事ですし、この話は僕が実際体験した体験談ですが、先日ウルトラマラソンというレースに出場した時の話で気温も30℃を超えてきますと汗を多量にかき喉がカラカラで熱中症の症状が出現し筋肉も痙攣してくるし手指も痺れてくるといった状態に陥りました、勿論水分を身体は欲しがっておりましたがそれよりもまして塩分を欲していたという事が身をもって分かりました。途中のエイドステーション(給水所)で頂いたスイカに塩を振りかけて食べたところ一気に身体がしょぼくれて縮んでいた感じだったのがメキメキと大きく細胞の隅々にまでエネルギーがスッート行き渡る感じが体感出来まして、無事に100㎞を完走することが出来ました。 ここで、我々ヒトには水分は勿論大切ですがそれよりまして塩と云うミネラルが重要なんだなぁとつくづく想った次第であります。 もう一つ体験談、この時期には塩辛い塩分が15%前後の梅干しを毎日一粒食べるといいですね!梅干しはクエン酸豊富に含まれておりますし夏バテ対策食品としては超おすすめですよ!!

<塩と様々な病気との関係>

①塩と精神心理

塩不足になるとヒトはまず無気力になります。昔の中国では戦いに出兵する兵士に塩を食べさせる事により兵士は元気になり勇敢に戦ったそうです。戦いが終わると、今度は逆に食事から塩を抜く事で兵士をおとなしくさせ上官のいう事を素直に聞かせ村人に乱暴することも無くなったそうです。 この様に塩が人間の精神心理に与える影響は計り知れませんし、大相撲の力士が取組前に塩をまくのは、儀式というだけではなく、精神高揚の為でもあるといわれております。 また、昨今すぐキレるとか、引きこもりの若者が増えております。いつもはおとなしいけれど、ときどき狂ったように暴れるとか、静かな人が急にキレるというのは、意外にも塩不足が一因かもしれません。 また、対人恐怖症やうつ病も増えておりますが、これらも塩不足が一因ではないかと言われております。悪質ないじめや少年犯罪も続々と報道されております。他方では子育て中の親御さんたちも、育児ノイローゼや虐待など、心を病んでいる人が増えております。 その原因は一体何なのか?よく社会環境の悪化や人間関係が希薄になったことが挙げられていますが、理由はそればかりではありません。体内環境の乱れも大きく関係しているだろうと想像されますし、心の問題と思われていることも、実は体内環境の乱れによる体の問題であって、家庭環境や生活環境などの外部要因は付随的なことに過ぎなかったというケースさえもあります。

②塩と骨との関係

近年、子供の骨が脆くなっている事が問題になっています。道端で軽く転んで手を突き骨折した、走っていて急に止まっただけで骨にひびが入ったなど、到底信じられない事が起こっております。 実際、各都道府県の調査でも、子供の骨折率はこの10年間で1.5倍に増加しているそうです。骨と言えばカルシウムを想像しますが現代っ子はカルシウム不足によって骨折しやすいのだときっと皆さんも想っているに違いありません。 しかし、骨はカルシウムだけでできているわけではなく、骨に含まれるミネラルはカルシウムの他にも、マグネシウム、ナトリウム、リンなどがあります。骨はまさにこれらのミネラルの貯蔵庫の役割も果たしています。体内ミネラルが不足すると骨から溶け出してくるし、逆に多いときは骨に貯蔵しておくわけです。骨が弱くなるのはカルシウム不足ばかりで理由ではなく、そのほかのミネラルの不足も原因のひとつと考えられていますが、中でもカルシウムと対になって働くマグネシウムの不足は重要です。マグネシウムは純度の低い塩に多く含まれる「にがり」の主成分です。先ほどから「ミネラルバランス」という文言を何度も使っておりますが、もう少し詳しく話しますとナトリウム⇔カリウム、カルシウム⇔マグネシウムは、それぞれがお互いの働きを助け合うパートナー的存在で、どちらか一方が過剰になったり、不足したりすると、相対的なバランスが崩れます。 例えばカルシウムが不足すると、相対的にマグネシウムが過剰になります。足りないミネラルは、貯蔵庫である骨から溶け出して補給するわけですから、最後には貯金がつきて、骨が脆くなってしまうのです。カルシウムだって単独に摂りすぎると、パートナーのマグネシウムの溶出を促しかえって骨が弱くなると考えられます。ミネラルがバランスよく貯蔵できてこそ、骨が丈夫になるのです。砂糖が歯だけでなく骨も脆くする理由は、砂糖によって酸性化した血液を中和するため、骨の成分であるこれらのミネラルを消費するからなのです。

③塩不足と冷え性

塩には身体を温める作用があります。元々東洋医学では塩は身体を温める陽性食品の代表とされています。冷え性の民間療法に風呂に粗塩をひとつかみいれる塩風呂、または塩を溶かしこんだお湯に足をつける足湯があります。塩は我々の身体を温める為に欠かせない栄養分なのです。行き過ぎた減塩をしている人、または相対的に塩不足になっている人は、必ず身体が冷えます。もしもあなたが冷え性に悩んでいるなら、思い切って、塩をしっかり摂ってみて下さい。

④塩と免疫力

冬場になると毎年流感に罹る人がいるかと思えば、もう何十年と風邪などひいたことがないという人もいます。果たしてこの違いは何なのか?まさしく「免疫力」の違いなのです。 塩不足は低体温を招きます。日本人の低体温化が叫ばれて久しく現代の日本人の平均体温は35度台の低体温の人が増えております。体温が下がると、新陳代謝悪くなり、免疫力が格段と下がり、免疫力が落ちるとまずやたらと風邪を引きやすくなります。それが次第に風邪だけではとどまらずあらゆる病気を引き寄せてしまうのです。 癌をはじめとした生活習慣病、アトピー性皮膚炎などのアレルギー、膠原病などの難病・・・。我々日本人が正しい塩をきちんと摂らなくなって以来、様々な病気がどんどん増えている現在、これらの病気の広がりと「塩不足=低体温=免疫力低下」という公式が成り立つのではないでしょうか。また、塩は漬物や塩蔵品などの保存食に使われることからもお分かりのように、非常に殺菌力や抗菌力に優れている為、それだけにいい塩を摂ることによってバイキンや風邪などのウィルスに負けない身体づくりが出来るのです。 アトピー性皮膚炎の話が出ましたので補足させて頂きます。近年、海水浴でアトピーを治すという療法が注目されています。アトピー患者に積極的に海水浴を薦めているお医者様もいます。なぜ、海水浴をするとアトピー改善効果があるのでしょうか?何といっても、海水のミネラルがチームで働いて、細胞を活性化する事が挙げられます。 また、日光の紫外線の効用やストレス発散の効果なども考えられます。海水浴から転じて、風呂に海水を入れたり、塩を溶かして用いる「塩療法」などもあります。東邦大学医療センター大橋病院皮膚科診療部長の向井秀樹先生は、多くのアトピーの子供たちに試したうえで、塩療法は薬を用いてもなかなかかゆみが取れないようなアトピーの患者さんにとって非常に有効で、しかも手軽に出来る補助療法になり得ると『アトピーの「かゆみ」をとる塩療法』(講談社)で述べておられます。 海水や塩が傷を修復し、炎症をしずめるというのは、伝統的にいわれてきたことですが、さらに海水やミネラルバランスが整った塩液にひたすことによって、細胞を活性化させ、新陳代謝がさかんになり、傷を早く修復させる効果があるのです。

⑤塩不足と生理痛

生理痛や子宮内膜症などに悩む女性も近年、非常に増えているようです。生理というのは、女性にとって月に一度の子宮の浄化であるわけで、それは自然がくれた天然のデトックスでもあります。 こうした女性特有の症状を昔から「血の道」とか「血の病」というとおり、生理痛などは血液の「質」に関係しています。普段から塩気のきいた綺麗な血液をつくることが大切です。子宮内膜症についても同じことが言えます。要は血液をつねに清浄にしておけば、生理中も快適でいられるという事です。 また生理痛は先に挙げた冷え性とも関係が深く、冷え性の人はたいてい生理痛にも苦しんでいます。血の巡りをよくし、冷え性を治したら、自然と生理痛が改善していたというケースはとても多いとの報告がございます。

<塩不足で起こる症状etc.>

上記の様に塩の不足は様々な症状を引き起こし色々な病気を招きます。以下、まとめて列挙してみます。尚、塩不足は下記の様な症状の原因になりますが、塩不足だけが原因とは限らないので、ご留意下さい。

□食欲不振 □しゃっくり・げっぷ・吐き気 □下痢・便秘・腹痛 □胃下垂・胃弱・胃潰瘍 □貧血・低血圧・めまい □冷える・寒がる □頭痛・肩こり・腰痛 □動悸・息切れ □性欲減退・インポテンツ □生理痛・生理不順・不妊 □抜け毛・フケ・歯茎からの出血 □筋力低下・倦怠感・無気力 □ストレスに弱い・怖がり □物忘れ・認知症・うつ・引きこもり □視力低下・ドライアイ □浮腫み

<血中4大ミネラルの相関拮抗関係>

*ナトリウム(しめる・硬くする・温める)⇔カリウム(ゆるめる・軟らかく・冷やす) *カルシウム(しめる・硬くする・温める)⇔ マグネシウム(ゆるめる・軟らかく・冷やす) 何らかの理由で体内のミネラルバランスが乱れると、この相関拮抗作用がうまく作動しなくなり、例えば胃の場合、細胞がゆるみっぱなしになると「胃下垂」になりますし、腸の場合はゆるみすぎると「下痢」、しまりすぎると「便秘」になります。しかし、慢性的なゆるみからくる便秘もあのます。この場合は、腸の力がゆるんで押し出す力がないために起こります。(現代の日本人、特に女性にはこちらのほうが多い) また先ほどの生理痛もそうですが、内臓の痛みはすべて「温める力」が弱いか、「冷やす力」が強いから起こると考えていいと存じます。つまり痛みを伴う症状の多くは、塩不足に起因しています。塩不足で起きる症状には、ゆるむ・だるい・しびれる・冷える・痛い・力がない・血の気がない・怖がる・忘れる・ボケる・・・といった特徴があります。 先程お話しした自分の体験談の中でスイカに塩を振りかけて食べたら身体が見る見るうちに元気になったというのはスイカというカリウムに富んだ野菜にナトリウムを振りかけたことによって身体が中庸のバランスを保つことが出来、崩れていた体内のミネラルバランスが整ったのだと想います。しかしおばあちゃんの知恵袋ではありませんが、昔の人達は化学的根拠などなくてもちゃんと経験と体験で身体に良いことは何でも知っているんですね!

<塩の原料>

①海水 日本では、昭和46年の塩田廃止によって、海水から生産する塩の量のほとんどをイオン交換塩が占めています。しかし世界的には、天日塩田で生産される天日海塩が大半を占めています。

②海塩 海水から作った塩は直接に使うほか、他の塩の原料にも使われます。メキシコやオーストラリアの乾燥地帯で生産された天日塩が日本に大量に輸入され、精製塩やにがり補足再製塩の原料になっています。

③岩塩 地殻変動により、陸に閉じ込められた内海が干上がって、地中にうもれたものといわれています。そのまま食べられる高品質なものほど、塩化ナトリウム純度が高い場合が多いです。日本にはありません。

④湖塩 多くの湖塩は、岩塩が雨水や地下水で溶けて溜まったものといわれています。湖塩はこれが干上がって結晶化したものです。これも日本にはありません。

<代表的な塩の製法>

①イオン膜・立釜法 イオン交換膜と電力で海水を濃縮し、立釜で加熱蒸発して結晶させる方法。イオン交換膜は日本伝統の塩田にかわる海水濃縮装置として開発され、現在も旧専売塩のメーカーがこの方法で大量生産しています。この製法は塩ではなく塩化ナトリウムを作ることを目的としており、イオン交換膜により海水のミネラルバランスが崩れるので、ミネラルバランスのとれた伝統海塩を生産することは出来ません。

②天日・平釜法 塩田と太陽熱や風力などで海水を濃縮し、平釜で加熱蒸発して結晶化させる方法。日本の伝統的な製塩法で、伝統海塩のメーカー数社が採用しています。この製法は伝統的に実績があるばかりではなく、製造過程において太陽や風などの自然エネルギーを利用できるというメリットもあります。

③平釜法 最初から平釜で加熱蒸発して海水を濃縮し、火力で結晶化させる方法。多くの伝統海塩のメーカーが採用しています。燃料を多量に消費するのが難点です。

④逆浸透膜・平釜法 逆浸透膜と圧力で海水を濃縮し、平釜で加熱蒸発して結晶化させる方法。海洋深層水塩メーカーなどが採用しています。本来、逆浸透膜は淡水化装置ですが、最近、製塩業界では海水濃縮装置としても使われるようになりました。

⑤平釜・噴霧乾燥法または加熱ドラム法 海水を平釜で加熱蒸発して濃縮し、加熱した空気とともに噴霧したり、加熱したドラムに吹き付けたりして結晶化させる方法。数社が採用しています。にがり分の調整が難しい。

⑥天日法 塩田で海水を濃縮し、最後まで天日で蒸発して結晶化させる方法。海外で多く用いられています。天日塩田は日本では気候的に難しいのですが、ごく少量ながら、温室式天日法によって国産の天日海塩が生産されています。

⑦採掘法 天然の岩塩や湖塩を掘り出す方法。夾雑物の少ないものはそのまま食用にさります。

⑧採掘法 天然の岩塩や湖塩を掘り出す方法。夾雑物の少ないものはそのまま食用にされます。

⑨溶解・立釜法または平釜法 天日塩や岩塩などの原料塩を溶解し、立釜または平釜で加熱蒸発して結晶化させる方法。精製塩やにがり補足再製塩のメーカーなどが採用しています。現代では、日本を含む先進国の市販塩の多くがこの方法で製造されています。

<日本で売られている代表的な塩>

①イオン交換塩 海水を原料とし、イオン膜・立釜法で製造します。代表格は財団法人塩事業センターから発売されている旧専売塩の『食塩』。純度が非常に高く、塩化ナトリウム99%以上と定められています。同じイオン交換塩でも、純度を下げたものもあります。

②精製塩 輸入の天日塩を原料とし、溶解・立釜法で製造します。代表格は財団法人塩事業センターから発売されている旧専売塩の『精製塩』。その名前の通り科学的に精製されており、塩化ナトリウム99%以上と定められています。

③伝統海塩 日本の海水を原料とし、天日・平釜法などで生産します。純度はメーカーによってかなり異なり、塩化ナトリウム以外のミネラルが5%前後のものから10%前後のものまであります。食用塩公正競争規約が施行される以前には、長い間「自然海塩」と呼ばれていました。

④にがり補足再製塩 輸入の天日塩を原料とし、おもに溶解・平釜法で製造します。にがりや海水を加えて少し純度を下げた塩。成分はメーカーによってやや異なります。

⑤岩塩 岩塩を採掘して粉砕するか、岩塩層に水を注入して溶解し、立釜法などで再結晶します。

<身体にとってのいい塩とは>


平成20年4月、公正取引委員会や東京都の指導により、塩の表示に関する公式ルールとして「食用塩公正競争規約」が定められました。この規約により、すべての食品に表示が義務付けられている「一括表示」に加えて、食用塩については「製造方法」の表示が義務付けられました。そこには「原材料名」と「工程」を記載することになっています。この表示が徹底されれば、これまで分かりにくかったそれぞれの塩の正体がはっきりします。

また、いい塩の純度は味的には乾燥重量比で5%前後(中純度)が丁度よく、毎日の食事に使用するには、多くても10%前後(低純度)までと思われます。これは、日本の昔ながらの高級塩である「真塩」や「古積塩」の純度とも一致します。

海水を原料に、天日・平釜法などの水分除去法で作られた中純度くらいの伝統海塩は、超高純度の精製塩などとは味がまったく違います。実際になめて比べてみれば、違いは歴然で、伝統海塩は、まろやかで、ほんのり甘みもありとても美味しいです。これは塩化ナトリウム、硫酸カルシウム、硫酸マグネシウム、塩化カリウムなどの塩類がバランスよく含まれているからです。塩の味は、これらの主要な塩類のバランスで決まります。美味しい塩とはスバリ、この五つの塩類のバランスがいい塩なのです。 伝統海塩を少し指にとって、味が感じなくなるまで、ゆっくりなめてみて下さい。はじめは、塩辛いですが、舌で塩味を口全体に回すと、そこに甘味・苦味・旨味など、複雑な味が感じられることでしょう。 我々ヒトの身体は、自然の要求に従って、塩が不足している時には「しょっぱい」ものがおいしく感じる様にできております。自分に塩が不足している時は、同じ塩でもすごく甘く、旨く感じ、塩が足りている時は味がきつく、塩辛く感じるのです。このようにオートマッチックに我々の身体は自律神経の働きによってコントロールされているのですね!

<何処の国の塩をチョイスすればいいか?>

平成9年、塩専売制が廃止され、海外から様々な塩が輸入されるようになりました。世界各地の塩を色々取り揃えて、料理によって使い分けている人もいると伺っておりますし、趣味的にあれこれ選ぶのが楽しいというならば、それはそれでいいですね!今では塩専門店なんかも出店しておりますし。(塩屋麻布十番店・まーすやー東京ソラマチ店等)

実利的にはどうか?やはり基本は、国産の伝統海塩を推薦します。少なくとも和食には、日本伝統の塩をお使いください。塩に限らず、食べ物はその国や土地でてきたものを基本にすべきで、その土地で長く食べられてきた伝統的な食品を重視すべきだという考え方があったようです。(身土不二)

その中でも、塩の様な基本調味料は、その成分や味により、その国の食文化や味覚文化に多大なる影響を与えてきました。

ヨーロッパなどの土中にはミネラル分が多く含まれており、水もたいていカルシウムやマグネシウムなどを多く含んだ硬水です。欧米人は水からミネラルが摂取できるので、塩はミネラル分の少ない岩塩でもいいのに対し、日本は火山灰土で土中のミネラルが少ない場合が多いので、水もミネラルを含まない軟水が殆どです。日本人には、水からミネラルが摂取できないので、カルシウムやマグネシウム等のミネラル分が豊富な、純度の低い海塩が必要になるのです。食糧自給の観点からも、日本人は日本で生産された塩を食べるべきではないでしょうか。

<塩の摂り過ぎかどうかは身体が教えてくれるよ!>

この梅雨時は接骨院にも「急に足首が腫れてしまった」とか「最近脚の浮腫みがひどいのよ」とかのご相談を特に多く受けます。そのような患者さんのミネラルチェックをすると非常にミネラルバランスが崩れていますので、「塩分が少し足りていないからしっかり塩分を摂って下さいね!」と云うと「内科の先生に塩分制限を受けているし・・・。」や「しっかりって・・・摂りすぎにならないの?」という様なやりとりを患者さんとよく行います。確かに今まで減塩を心掛けていた人にとっては、塩をしっかり摂るのは確かに怖いことかもしれませんよね!しかし、我々の身体には素晴らしいシステムが備わっております。そのメカニズムは先ず塩を摂りすぎますと、喉が渇きます。これは身体が体液の塩分濃度を一定範囲に保つために、水を飲んで調整しようとするからです。食後、とても喉が渇くようなら、それはさすがに塩分の摂りすぎですから、次回からは少し控えて下さい。逆に特に喉が渇かなければ、それでOKというサインです。喉が渇くという以外に、味覚も頼りになります。伝統海塩は、必要な量を摂取しているうちはとても美味しく感じられるのに、必要量を超えると「しょっぱい」というだけではなく、とてもまずくなって身体が受け付けない感じになります。人間には、どんなスーパーコンピューターもかなわない「舌」という有能なセンサーを持ち合わせております。舌で味わった時に、「美味しい」と思ったものが、身体に合ったものです。 塩とか、水とか、そういう原始的なもの、自然なものに対しては、我々の舌は物凄く鋭敏に働いてくれるという、これもまた、我々の身体に備わっている本能のひとつかも知れませんね。しかし、ここで決して忘れないでほしい事がございます。それは、我々の身体に備わっているスパコンなみの優秀なセンサーが時々、麻痺してしまう事があります。 どういう時かというと、精製塩や精製小麦、白砂糖、白米、化学調味料等の純度の高い、不自然なものを大量に摂取しているとセンサーが麻痺して働かなくなるそうです。だから食べ過ぎても歯止めが効きませんし、常習性が生まれます。 ですから「塩をしっかりとる」しいっても、塩化ナトリウムの純度が99%を超える様な超高純度の食塩ではなく、海水のミネラルをバランスよく含んだ、本当に身体が欲している伝統海塩でなければならないという事はこれまで読んで下さった皆さんはもうお分かりですよね!僕は個人的には小豆島から「御塩」という塩を取り寄せてこの季節はトマトやキュウリ、スイカに一つまみかけて食べておりますし、その他、有名な所では「伯方の塩」「赤穂の天塩」「天海の塩」 等がございますので皆様のお口に合うものを是非とも探してみて下さい。

<減塩はどうして高血圧症を改善しなかったのか?>

冒頭に皆さんに投げかけて質問の答えがいよいよここで明らかにされるはずです。

確かに我々日本人は2013年に世界187ヶ国の人の食事中の塩分摂取量を比較した研究によると、日本人の1日あたりの塩分摂取量は世界平均の20%以上も多かったですし、高血圧の原因の1位は食習慣です。高血圧になると心筋梗塞や脳卒中のリスクが上昇することは複数の研究によって明らかですし、塩分摂取量を減らしカリウム摂取量を増やすことで心筋梗塞や脳卒中になるリスクが25%下がるとの報告もあります。また、塩分摂取量が多くなると高血圧になるだけではなく、塩分は胃がんの原因になる可能性も示唆されています。欧米人には大腸がんが多いのに対して、日本人や中国人に胃がんが多いのは、日本食や中華料理には塩分が多く含まれることが原因の一つだという説もございます。

現在、日本の高血圧症の総患者数は3500~4000万人、1970年の日本人の一日当たりの塩分摂取量は17gでした。国を挙げての減塩運動のおかげで現在の塩分摂取量は11~12gにまで抑えられるまでになりましたが、いまだに高血圧患者数は50年前と変わっておりません。これっておかしくないですか?塩分の摂りすぎが高血圧の原因ではないという