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くるくる保健室 No.7 『あなたのその冷え本当に体質ですか?』

今年は夏の暑さと冬の寒さとのギャップが大きく、意外と「冷え」を感じている方が多いのではないでしょうか?女性は男性に比べて筋肉量が少なく、貧血があったり低血圧であったりして「冷え症」を訴えるケースが今まではとても多かったのですが、最近は男性も「冷え」を訴える方が多くなって来た気がします。ネット調査会社のデータによりますと、20~40代の男女544人に体の冷えを感じたことがあるか聞いたところ、女性の86.2%、男性の61.5%に「冷え」を感じたことがあると答えており、男性は6割以上の人が冷えを感じているという結果が出ました。しかし、このうち何らかの対策を講じているかという質問に対し女性は62.5%の方が「yes」と答えているのに対して、男性はたった28.8%しか講じておらず、約6割が体の「冷え」を感じているにも関わらず、冷え対策を行っている人が少ないという調査結果が出ております。おそらく、「冷え症は女性のもの」という認識が強く、自覚症状があるにも関わらず男性は意外と「冷え」を認めてないのかもしれませんね。特に20代30代の若い世代に『隠れ冷え症』が増加しています。


一般的な「冷え症」の症状といたしましては、女性の場合は、肌荒れ、便秘、生理痛、生理不順、頭痛、めまい、腹痛、体のだるさ、不眠などが起き、男性の場合は腰痛、肩こり、過敏性腸症候群、胃腸炎、アレルギー性鼻炎、膀胱炎、前立腺炎などの症状が起きます。女性は手足の末端が冷えるので自覚症状も現れやすいのですが、男性は内臓に冷えが生じる為、冷えを自覚しにくく、『隠れ冷え症』になりやすいのかもしれませんね。


「冷え症」の原因といたしましては、一言でいうと、生活習慣です。特に食生活の乱れが冷え症の主な原因です。冷たい食べ物・飲み物や甘い物の食べ過ぎ、季節外れの野菜や果物の摂取、食べない系ダイエットをすることで、ミネラル・ビタミンのバランスが崩れてしまう。その他の原因として、冷暖房などが整っている住環境が逆に体の体温調整機能が鈍くなり冷え症になってしまう。また、運動不足になると、血液を送る筋力を刺激しない状態が続き、筋力が低下し、冷え症の原因になるし、服装にしてもあまりにもファッション性を追及するあまり、ヘソを出したり太ももを露出したりと男性も以前はシャツをしっかりズボンの中にしまっておりましたが、近頃はズボンから出して着るのがナウくておしゃれですしね・・・。これではやっぱりおなかが冷えますよ!


その他としては、煙草は言うまでもなく血管を収縮させてしまい、血流の流れを悪くするとともに、基礎代謝までも低下させてしまいますし、やっぱり最後は過度のストレスですが、これもやはり交感神経が緊張することで血管が収縮し過ぎて血行不良につながり結果的に「冷え症」をつくってしまいます。


それではどうしたら冷え症改善・冷え性対策を行えばよいのかというお話になるかと想いますが、原因となる事を少し控えればいいわけでして、冷たい食べ物や甘い食べ物をあまり食べない事。旬の野菜や果物をしっかり摂取する事。食べない系ダイエットは避ける事。適度な運動をして汗をかき特に下半身の筋肉量を増やす事。ウオーキングやスクワットなどがオススメです。お風呂にしっかりつかり、酒・煙草を控え、バランスのとれた食事でミネラル・ビタミンをしっかり補給する事。「冷え」予防に必要不可欠な栄養素は亜鉛・鉄・セレン・マグネシウムなどのミネラルとビタミンB1・B2などの水溶性のビタミンです。患者さんの体温(鼓膜温)をよく日常の診療の際に計測するのですが、最近は平熱といわれていた36.5℃位ある方が非常に少なく、36℃を下回っている方々が多くなっている傾向にあります。体温が1℃下がると、免疫力が低下し健康に悪影響があると云われますが、これからが冬の本番です。季節のお野菜をたっぷり入れた味噌仕立ての牡蠣鍋(土手鍋)など寒い夜にはいいのではないでしょうか。牡蠣には亜鉛が豊富に入っておりますし、味覚障害の方々にも効果があるようですよ!

しかし、命に係わる怖い「冷え」もございますので、ご紹介しておきますね。

では、その前にチェックシートをご用意いたしますのであてはまるものがあればチェックしてみて下さい。

□ 歩くとふくらはぎに痛みがある

□ 坂道を上がる時に痛みがある

□ 歩くのをやめると痛みが治まる

□ 座っている時などにしびれ、痛みがある

□ 手足が極端に冷たく感じる

□ 手足の感覚が鈍くなった気がする

□ 足の指や爪の色が変わっている

□ 手足のケガが治りにくい

□ 知らないうちにケガをしている

□ 片方の足が細くなったり、体毛が抜けたりする

以上の項目に一つでもチェックが入った方は 閉塞性動脈硬化症(へいそくせいどうみゃくこうかしょう)を疑います。

当院にも腰部脊柱管狭窄症の疑いで来院された65歳の男性が、50mも歩くとふくらはぎが突っ張って、痛くて歩けない(間歇性跛行)と訴えて来ました。非常に腰椎との症状に似ていたのですが足の甲の脈を触れてみたら、全く拍動しておりませんでした。その他に患側の右足がいやに細く冷たかったことを記憶しております。既往歴として糖尿病もございましたので、上記の疾患を疑って近医の血管外科にご紹介したところ、本疾患の診断が下り、主治医に「へたしたら、足に壊死が起き、最悪、切断だったよ!」と脅かされたとおっしゃられておりました。しかしそれは、全然脅かしでも、冗談でもなく、本当の事ですよと説明しましたら、その患者様のお顔は青ざめておりました。実際、腰の症状かなぁと想われて、整形外科や接骨院に来院され、実は血管の病気だったというケースが多々ございますので、皆様も頭の片隅にご記憶していただけたら幸いです。


当院での「冷え症」対策といたしましては、薬石浴ベッド(メディストーン)で寝ていただき、鼠径部をしっかりと湿熱マットで温め、椅子での施術の方には湯たんぽで臀部や仙骨部を温めながら行っております。ご自宅でも腹巻やレッグウォーマーを身に着けていただいたり、外出時にはネックウォーマーを頸部に巻き付けていただいたりのご指導を行っております。特に下半身の冷えやすい方は、鼠径部を温めることにより、血液は特に大腿部の骨髄や第三腰椎付近の骨髄部で生成される為、この部分を温める事によって、源流を温めてしまえばおのずと下流も温まるという理論で効率よく下半身部に温められた血液を送り込んであげられます。足先が冷たいと言って何枚も靴下を重ね履きしておられる方をときどき見受けられますが、そういった方は是非とも鼠径部やお臍の下指2本分下の気海という名のツボに(下丹田)カイロを肌着の上から貼っておくといいですね。暖かい室内から寒い屋外に出ると、我々は反射的に頸と肩をつぼめて体全体を縮こませてしまいますが、この反射にはちゃんとした理由があります。

心臓から脳に行く大事な血液を瞬間的に冷やさないようにしています。もし脳に行く血液が冷え切ってしまったら、頭痛やクモ膜下出血脳梗塞等の原因になってしまうかもしれません。脳幹が冷え、記憶の中枢である海馬が血行不良を起こし、認知症の原因になる恐れもございます。

お風呂は食事の直前直後に入浴してしまいますと、消化の妨げになりますので、出来れば食後1時間は入浴を避け、脱衣場と浴室の温度差を極力小さくし、睡眠前であれば40℃以下のややぬるめのお風呂に後頭部までしっかりつかり仙骨部も同時に温める事により、脳脊髄液の流れを良くし、副交感神経をしっかり刺激し睡眠の質を高めて頂きたいと想います。但し、心臓疾患のある方はあまり肩までどっぷりとお湯にはつからずに、もし寒ければバスタオルを肩に掛けご入浴していただければと存じます。

それでは皆様、寒さもこれからが本番ですので、インフルエンザや流行性腸炎等に気を付け元気に春を迎えられますよう、お祈りいたしております。

かわい接骨院・じょんのび治療室                         主宰 川合 晃生

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くるくる保健室No .24『アンガーマネジメントとマインドフルネス』2021年03月31日(旧サイトより再掲)

みなさん!ついカッとなってどなってしまったことはありませんか? 逆に気持ちを押しこらえて、「あのとき怒っておけばよかった」と後悔したことは、ありませんか? 時代はコロナ真っ只中、コロナ警察が目を光らせ我々の行動を常に監視したり、インターネットの普及に伴って、叩くネタはいつでも満載、毎日SNS上のどこかで炎上騒ぎが勃発しております。 今回のくるくる保健室は「怒り」を取り上げたいと思います。 1.怒り

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