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くるくる保健室No.15『ロングブレスで長生きしよう!!』

くるくる保健室Noなし

2016年7月27日に2015年における日本の平均寿命は男性が80.79歳、女性が87.05歳であると厚生労働相より発表されました。 これで男性の平均寿命が3年連続で80歳を超えましたが、僕が目指す「生涯現役、ピンピンコロリ!健康で80歳」には届かず、健康寿命は男女の平均が74.9歳でした。 この健康寿命を延ばすべく皆様に色んな養生法を伝授出来ればと想い、このくるくる保健室への寄稿が始まった訳です。 今回はその方法のひとつである『呼吸』についてお話しさせていただきます。 これを実践すれば健康寿命が延びるのは言うまでもありませんが、その上の『快楽寿命』が延びQOLの向上に繋がります。

洋の東西を問わず、古くから様々な呼吸法が伝えられております。例えば「気功」の理論でも、呼吸が非常に重要な要素とされております。 西洋医学の研究者や臨床医の間でも「気功」「気」への注目が集まっている様で自然治癒力や免疫力、予防医学の分野からも大きな役割を期待されています。 「気功」では「三調」という言葉が重んじられております。

最近では、「禅」「瞑想」「ヨガ」「マインドフルネス」等でも重要視されている概念です。 これらについては、また別の機会にお話しさせていただければと存じますが、「三調」とは3つの「調」を示します。 具体的には「調身」「調息」「調心」ですが、ひと言でいうと、姿勢を整えると呼吸が整い、呼吸が整うと今度は心も整うという流れがあるという事です。 ①調身(身体・姿勢)②調息(呼吸)③調心(こころ・意識)この3つをうまく調和させていくことを、「三調を整える」と表現いたします。 特に今回は「調息」にポイントを絞りお話しさせていただきますね!

◆《呼吸とは》 ヒトの呼吸は、特に意識をしなくても、1分間に約15~20回の割合で行われています。(安静時呼吸)。 例えば、80年間生きると仮定した場合、人生で約6億回もの呼吸をすることになります。「たかが呼吸」などと軽く見ないで、少しでもよい呼吸を行えるよう、また1回でも多くよい呼吸が出来るように心がけたいですよね。 呼吸について改めて振り返ると、「正しく息をするよう、普段から心がけている」という人はどれぐらいいるでしょうか? きっと皆さんは、「自然に行っているから意識などしたことない」とか「呼吸とは無意識に行うものなんじゃないの」という感覚が強いのではないでしょうか。 そもそも呼吸は自律的呼吸と随意的呼吸の2種類に分けられます。

◆《自律呼吸(無意識に行っている呼吸)代謝性呼吸とも呼ぶ》 普段、無意識に行っている自律的な呼吸は、「呼吸中枢」によってほぼ自動的に制御されています。 呼吸中枢は「脳幹部」に位置しています。脳幹部は、人体の生理機能を維持する大事なところです。 脳の重要な位置にある呼吸中枢は、一刻も休む間もなく「息を吸いなさい」「息を吐き出しなさい」と指令を出し続けています。 その指令が、脊髄や様々な神経を通して呼吸筋に伝わるという流れです。

◆《随意呼吸(意識して行う呼吸)》 呼吸を意識的に速めたり、ゆっくり行ったりする場合は、「呼吸中枢」ではなく「大脳皮質」の働きになります。 大脳皮質とは、呼吸中枢よりも上位の部位です。 ヒトは大脳皮質の働きによって、呼吸をある程度までコントロールすることが出来ます。それが「随意的呼吸」です。けれども、長時間息を止めることは不可能ですし、また随意的な呼吸を長く続けることも出来ません。 しかし、今回お話させていただく呼吸はこの随意的呼吸です。 この呼吸の質を高め、自律神経に働きかけ、自分の意識で頻呼吸等の癖を改善することも出来るようになります。

◆《情動呼吸(感情と結びついている呼吸)》 この呼吸も無意識に行う呼吸ですが、その中枢は脳幹ではなく、感情そのものの中枢である大脳辺縁系という場所です。 その中の扁桃体という場所には呼吸のリズムを司る部位もあり、心の動きとゆったりとした呼吸が同調し、気持ちを落ち着かせてくれたりします。 つまり、感情と呼吸は、脳の中の同じ場所でコントロールされているので、感情が変われば呼吸も変わり、呼吸を変えれば感情も変わるというのは、周知の事実です。 そして脳内のセロトニンという神経伝達物質の分泌量も増し幸福感・多幸感を感じる事が出来ます。 このセロトニンは呼吸・歩行・咀嚼などの規則正しい単純なリズム運動で増加すると言われております。

※セロトニンの分泌を意識する方法 ①椅子に座るか、仰向けに寝転がってリラックスする。 ②いつも通りの自然な胸式呼吸を繰り返します。 ③下丹田(臍下三寸)に意識を集中させ、「吸う」より「吐く」を意識して呼吸を2~3回行い、最後に息を吐き切ります。この時は口から息を吐き、下腹部がへこむことを確認して下さい。 ④下丹田を意識し続けながら、口を閉じた状態でお腹を膨らませます。この時、鼻から空気が自然に吸い込まれるのを感じる事が出来ます。 ⑤②~④を数回、ゆっくり繰り返します。理想の回数は1分間に3~4回程度、5分以上続けるのがいいです。徐々に長い時間、行えるようになるとよりベターです。

この「セロトニンの分泌を意識する方法」は、是非体得して頂きたい技術のひとつです。心配や悩みが頭から離れないとき、不安感に襲われた時などに行うと、心が落ち着きます。 その落ち着きは決して一時的な作用ではなく、根本的に心を鎮め、頭も冷静にリセットしてくれるものです。 気持ちが混乱していても、立ち止まって客観的な視点で周囲を見渡すことが出来るようになります。 「衝動にかられた行動をとったり、感情に流されることが多い気がする」と感じる人は、是非この技術を役立ててほしいと想います。 ◆《呼吸と自律神経との関係》 呼吸運動とは、「息を吸い込むこと」と「息を吐き出すこと」という二重の構造から成り立っております。この2つの相反する動作は、自律神経と密接に関連しています。 「息を吸い込むこと」(吸気)で、交感神経が優位になり、反対に「息を吐き出すこと」(呼気)で、副交感神経が優位になります。 ストレス過多となり交感神経が過剰に緊張しすぎると病気になりやすくなりますが、その状態を改善しようとする場合は、「息を吐き出すこと」を意識して、ゆっくりとした呼吸をし副交感神経の機能を促すと、リラックスでき健康体が維持できるようになります。 この様に、呼吸を少しだけ意識して、うまくコントロールすることで、誰でも自律神経を整える事が出来、「息を吐き出すこと」を重視して呼吸の質を高めて副交感神経が活発になると、心身の過度なストレスをうまく逃がし、また、その時に抱えていた不安や心配といったマイナスの感情をも解消できます。 つまり、副交感神経を優位にしようとする随意的呼吸は、単に生命を維持する呼吸というレベルを超え、心や身体から苦痛を取り除いてくれることになり、それは言い換えれば「人生をよりよく高めてくれる呼吸」「人生を変える呼吸」になると言っても決して過言ではございません。

◆《頻呼吸の弊害》 呼吸が浅く、速く、弱い呼吸を「頻呼吸」と呼びます。正常時の呼吸数は1分間に15~20回程度ですが、1分間に24回以上にのぼると頻呼吸と診断されます。 これは不安やストレス、緊張にさらされている時にしてしまいがちな呼吸で、所謂「不安呼吸」です。 性格などには関係なく、どのような人でも、無意識のうちに頻呼吸になる可能性がございます。 頻呼吸になる瞬間とは、例えば大事な会議やプレゼンの前、テストや試験を受ける前、怒られたりしてストレスを受けている状態などです。 この様な時には、心拍数も自ずと上がってしまいます。 平常時の心拍数は、男性で1分間に60~70、女性で65~75回です。しかし過度のストレスを受けている瞬間は、心拍数が100回以上(頻脈)にまで急上昇することさえあります。この様な経験をされた方は多いのではないかと存じますが、この様な時は心臓の鼓動を感じ、胸が高鳴っているのをご自分でも感じる事が出来ますよね。 しかし、この様な状態では、良い呼吸をしようと思ってもなかなか難しく出来ません。 不安やストレス、緊張で胸が高鳴っている時は、同時に胸も苦しく感じ、脈拍・呼吸数共に増えているのにも関わらず、なぜだか息苦しくなります。 そして、少しでも早く、多くの酸素を体内に補おうとして、犬のような激しい呼吸になりがちです。(過呼吸状態)これが頻呼吸になるメカニズムです。 頻呼吸は癖になることがよくあるそうですので、頻呼吸の癖がついていないか、確認するためのチェックリストを挙げますので、自分はいくつ当てはまるか、チェックしてみて下さい!

※「頻呼吸の癖チェックリスト」 ①呼吸をする回数は、1分間に24回以上である     ◇ ②呼吸をしているかどうか、見た目では分からない  ◇    (胸やお腹が動かない) ③息をするときに、肩がよく上がったり下がったりしている  ◇ ④息を吐いた後、すぐに息を吸いたくなる  ◇ ⑤息を10秒以上も吐き続ける事ができない  ◇ ⑥普段、口呼吸をしている  ◇ ⑦口が常に、少し開いている  ◇ ⑧口や喉の渇きを覚える事が多い  ◇

上記項目のうちでひとつでもレ(チェック)が入れば「頻呼吸の癖」があると考えてよい。

◆《自律神経を整える呼吸のメリット》 ①集中力を高められる よい呼吸を行うと精神的に落ち着くため、集中力は飛躍的に高まります。 そのメカニズムは以下の通りです。 呼吸が整うと、脳に新鮮な酸素が行き渡り、脊髄が拍動することで脳脊髄液の循環もよくなり、頭がすっきりします。 神経のバランスが整い精神的にも安定します。その結果、集中力が飛躍的にアップするという訳です。

例えばスポーツ選手が、試合の前などに深呼吸をしているシーンをテレビ等で見たことがある人は多いのではないでしょうか。 質のよい呼吸によって、心身に落ち着きを与え、最高のパフォーマンスが発揮できるように集中力を高めているのです。 この方法は、スポーツ選手に限らず誰にでも有効なので、ビジネスの現場や、学校、資格試験などの人生の節目となる大事なシーンで是非とも真似してみて下さい。 また、日常の中でも「イライラしてつい食べ過ぎてしまう」とか「誰かと口論になりつい大きな声を出してしまった」時なども、この方法は有効です。 呼吸を整えることで、いつでもどこでも、一人で上手く心を落ち着ける事が出来ます。

②ストレスを軽減できる 呼吸と自律神経は深い関係があるという事は前述致しました。 呼吸を整えると、交感神経が沈静化されリラックスでき、副交感神経がスムースに動き、内臓の働きやホルモン分泌、免疫の働きすら正常化します。 そして副交感神経が優位になり、心身からストレスは消えていきます。

③免疫力を上げる事ができる 免疫力とは、人間が生まれつき持っている、自分自身を守るための力です。 身体の中に入ったウイルスや細菌などから身を守ったり、それらを撃退するような力を指します。 免疫については、現在研究が進み、様々な事が分かってきています。 呼吸が浅いときは、口から呼吸を行っている場合が多いです。(口呼吸)この口呼吸は、口の中に空気中の細菌やウイルスが付着しやすくなり、それを退治するために益々免疫系が激しい活動を行わなければならなくなり、疲弊してしまいます。 反対に、呼吸が深いときは、鼻から呼吸を行っている事が多いようです。(鼻呼吸)この鼻呼吸は、細菌が口内に付着する事を自動的に防ぐ事になります。 また、腹式呼吸を行う事で体内により多くの新鮮な酸素が取り入れられ、血液中の白血球や赤血球が働きやすくなります。 体内の隅々にまで酸素と栄養が行き渡るとともに、血液中に溜まった老廃物が効率よく排出されるようになり、免疫力を高めてくれます。

④新陳代謝をアップできる 呼吸を整える、つまり腹式呼吸をしっかり行うと横隔膜は上下に動きます。 また、身体のコリがとれて、筋肉が柔らかくなっていきます。 インナーマッスル(身体の内部の筋肉)や体幹部まで鍛えられるため、全身の血液を流す力も強くなります。すると、自ずと血流の巡りがよくなります。 血流が改善されることにより、毛細血管まで血流が行き渡ります。 結果的に新陳代謝もよくなります。 新陳代謝がよくなると、当然ながら美肌効果なども期待できます。

⑤ダイエット効果を高められる 呼吸を整えると、ダイエット効果まで高まります。 そのメカニズムを紐解くと、正しい呼吸をすると、肋骨の下にある横隔膜が大きく上下に動くため、普段使われない筋肉が使われて基礎代謝が上がります。 それは、ダイエット効果に直結します。また内臓の血行が改善したり、新陳代謝がとても良くなることで、内臓脂肪の燃焼も促されます。 さらには胃腸が刺激されることで、便秘が解消されます。便秘の解消も、ダイエットの味方となってくれます。 呼吸を整えるとお腹が大きくへこむ過程がありますが、それによって、お腹の内臓のインナーマッスルが鍛えられ「ぽっこりお腹」も改善します。

⑥体温を健康的に上げることができる 呼吸を整える、つまり意識して腹式呼吸を行うことで、横隔膜は一層下がります。 すると、酸素と二酸化炭素の交換をより多く出来るようになり、新陳代謝が促進され、体温が上昇していくことになります。 特にその効果が顕著なのが手足です。手足は新陳代謝が滞りがちですが、呼吸を整えることで、酸素と二酸化炭素の交換が促進され、ポカポカ温まってくるのが感じられるはずです。

⑦冷え性を改善・解消できる 呼吸を整えることで、リラックス効果で手足の毛細血管が開いて血流が改善します。 ゆっくりと深い呼吸で、身体の隅々まで酸素を巡らせることが出来る為、冷え性の改善にも効果的です。

⑧消化機能を向上できる 呼吸を整えると、横隔膜の運動範囲は胸式呼吸の2~3倍にアップします。 人によっては、より運動範囲が広がるケースもあります。 横隔膜の運動範囲がどんどん広がると、腹腔内圧が上がります。 そうなると胃腸がよい刺激を受けることになり、働きが活性化します。 つまり、横隔膜を意識して動かすことで、消化器まで鍛えられるというわけです。

⑨腰痛を改善・解消できる 呼吸が整うと、横隔膜が大きく動いて腹筋が鍛えられ、姿勢を正しい位置で支えられように変わります。 インナーマッスルも自ずと鍛えられます。すると結果的に腰痛の改善効果が期待できます。

⑩肩こりを改善・解消できる 呼吸が整うと、横隔膜を含めた呼吸筋群や舌骨筋群が鍛えられ頸椎を安定した位置へと固定でき頭部をしっかり支えることで出来るようになります。 そうすることで猫背や平背も改善し視線も上がり頭痛や肩こりの改善効果が期待されます。

◆「呼吸筋ストレッチ」のやり方 呼吸法を実践して頂く前に、「呼吸筋」が硬く柔軟性がないと、思うような深い呼吸が出来ませんので、ここでは前段階の準備運動として「呼吸筋ストレッチ」のやり方をお話致します。 現代人には、臓器の明らかな病気ではないのに、息苦しさを感じる人が急増しています。こういった自覚症状の息苦しさは「呼吸困難感」と呼ばれ、最近、特に注目されております。 この呼吸困難感の大きな原因は「呼吸筋」が硬くなり、その働きが衰えることです。 呼吸筋は息を吸うための筋肉と、息を吐くための筋肉に分けられ、息を吸うときは、吸うために必要な筋肉が縮み、吐くために必要な筋肉は緩みます。 息を吐くときは、その逆に吐くための筋肉が縮み、吸うための筋肉が緩みます。 深呼吸をするには、呼吸筋が適切に縮むだけではなく、緩むことも大切でお互い拮抗しあいながらバランスを保っております。 ところが、加齢やその他の原因(くるくる保健室№11肺活参照)によって、手足の筋肉と同様に呼吸筋も柔軟性が乏しくなり硬くなります。 すると、肺の「残基量」が増えます。残基量とは、息を吐いた時に吐き出しきれない気体の事で、残基量が多すぎると呼吸困難感を招きます。 バケツの底に、絶えず一定の水を残しながら水を汲んでいる様なものなので、呼吸の効率が落ちて息苦しくなるわけです。

※吸息筋(息を吸うときに働く筋肉) 胸鎖乳突筋・僧帽筋・斜角筋・外肋間筋・横隔膜など

※呼息筋(息を吐くときに働く筋肉) 内肋間筋・外腹斜筋・腹直筋・内腹斜筋・腹横筋など

基本の姿勢:足を肩幅に開いて立つ

肩のストレッチ ①息を吸いながら、肩を前からグッと上に上げます。 ②息を吐きながら、肩を後ろに回します。これの繰り返し。目安は3~5回

首のストレッチ ①息を吸いながら、頭を左に傾けます。同時に左肩をできるだけ下げ、右の脇を軽く開いて右腕を斜め下に伸ばします。 ②息を吐きながら元に戻します。左右を替えて同様に。目安は3~5回

胸と背中のストレッチ(吸息筋ストレッチ) ①腕の前で両手を組みます。ゆっくり鼻で息を吸い、口で吐きます。 ②息を吸いながら、組んだ手を前に押し出し、大きなボールを抱えるように背中を丸め、膝を軽く曲げます。 ③吸いきったら、口で息を吐きながら元に戻します。目安は3~5回

下部胸壁(横隔膜)のストレッチ ①両手を頭の後ろで組み、鼻から息を吸います。 ②息を口から吐きながら、組んだ手を頭上に上げ、大きく伸ばします。 ③息をまた鼻から吸いながら、最初の姿勢に戻します。これを3~5回繰り返します。

胸のストレッチ(呼息筋ストレッチ) ①両手を腰の後ろで軽く組み、ゆっくり一呼吸。 ②鼻からゆっくり息を吸いながら両肩を内側に閉じます。肩甲骨を広げるイメージで ③口から息を吐きながら組んだ手を腰から少しずつ離し肩甲骨を中央に寄せ胸いっぱいに開きます。前胸部と脇腹がストレッチされるのを感じますよね! ④息を吐ききったらゆっくり鼻から息を吸って元の姿勢に戻します。これを3~5回繰り返します。

◆《自律神経が安定する「立禅呼吸」のやり方》

基本姿勢: 両足を肩幅位に広げて立つ。足底の湧泉というツボに体重を乗せ、膝を少し曲げる。 ①足の指で床を掴むように立つ?下丹田に氣が入る ②両手の掌を30㎝程間隔を開けその間に氣のボールを作るイメージ?中丹田に氣が入る ③尾骨を下げ、頭頂の百会というツボを上げる?上丹田に氣が入る ④臍を後ろに引いて命門というツボを開く※命門を開くとは、骨盤を落とし、寝かすこと⑤立禅呼吸により重心を下げる ⑥息を5秒間鼻から吸いながら、下丹田の氣のボールを大きく膨らませるイメージを持つ ⑦吸い込んだらその状態で5秒間呼吸を止める ⑧息を10秒間鼻からでも口からでもいいので吐きやすい方から、吐きながら下丹田の氣のボールを一気に地球の中心(コア)まで落とすイメージを持つ ⑨①~⑧までを3回から5回程繰り返し行う

◆《呼吸法をうまく習慣化するポイント》 ①頑張りすぎない どんなことでも、頑張りすぎると決して長続きはしないものです。 具体的に言うと、先ず「行う時間の長さの目標値」については、最初は短めに設定しておくべきです。 「1日最低5分間でいい」と目標値を低く設定しておいた方が気分も軽くなるはずです。目標を決める際には、小さいステップからはじめるようにして、「1カ月ごとに行う時間を見直す」「目標値は、少しずつ上方修正していけばよい」という気持ちでスタートしましょう。 ②理想を追い過ぎない 新たな習慣を身に着けようとする際に、理想を揚げ、目標を設定することは非常に大切です。 例えば「1日30分、呼吸法を頑張ろう」という目標は、立派なものに違いありません。ですが、人は理想や目標が高ければ高いほど、無意識のうちに効果や効能を期待してしまう傾向があります。 「毎日○○分間も呼吸法を真面目に行っているのだから、○○が治るはず」などと、無意識のうちに大きな見返りを期待してしまうようになります。 これほど、精神的に苦しいことはありません。心身トラブルの改善を強く望んでいたとしても期待はしすぎないことが大切です。 「呼吸法をはじめてしばらく経ったら、気付かないうちに体が変わっていた」という自然な変化が現れることが、理想的な形です。 ③完璧主義になりすぎない 呼吸法を1日、2日とお休みした場合、自己嫌悪に陥り、「続けること自体が嫌になってしまう」という人も時々います。 予期せぬ事情で時間が取れなくなることは、誰にでもあることです。数度の「お休み」は気にせず、そこから「再出発する」という新たな気持ちで、肩の力を抜いて取り組んでみてください。 これらのコツを踏まえても、やはりどうしても「永く続けられない」という事も多いものです。 そのような場合は「呼吸を共に行う仲間」を作ることをお薦めいたします。 やはり、状況を報告し合ったり、励まし合ったりできる存在がいるということは、大きな助けになります。 市報やミニコミ誌等の情報を参考に地域の同好会やサークルに入るなどするのもいいですね!

◆《最近のトピックス》過呼吸の症状を押さえるワザ 極度の緊張やストレスなどが原因で、突然、激しい呼吸困難に襲われる過呼吸(過換気症候群)。 よく知られている応急処置が、紙袋を患者さんの口に当てて呼吸させ、酸素の量を減らすというものでした。 ところが、この方法は最悪の場合命に関わる危険な行為だったのです。 過呼吸というと、酸素の吸い過ぎが原因と思われがちですが、実は二酸化炭素不足が本当の原因です。 緊張などで呼吸が激しくなると、血液中の二酸化炭素が大きく減ります。すると、脳の延髄が二酸化炭素不足を解消するために呼吸を止めようとします。 しかしその一方で、意識を司る大脳皮質が息苦しさ感じて呼吸を続けさせようとするため、呼吸が困難になります。これが過呼吸の正体です。 二酸化炭素が不足すると、頭痛やめまい、手の痺れ、筋肉の硬直などが起こり、最悪の場合は心臓が停止してしまう事もあります。 さらに怖いのは、二酸化炭素が不足すると、血液中の酸素不足に気付きにくくなることです。そのため、紙袋を口に当てる方法は、酸欠に気付かず、最悪の場合は窒息死してしまう危険があるのです。 過呼吸になったときは、ゆっくり息を吐くのを意識することが大切です。 椅子に座った状態で立禅呼吸をやってみてください。

◆《最後に》 冒頭でも述べましたが三調を整えると、目には見えない身体全体のハーモニーが整えられて健康になり細胞が元気になります。 元気の源は、何といっても血液・酸素・栄養です。これらを60兆個あると言われる身体の細胞一個一個に巡らしてあげる事が身体のハーモニーを奏でるのに最適です。 その中でも調息(呼吸)は心と密接に繋がっています。「息苦しい」は「生き苦しい」に通じ、「息詰まる」は「行き詰まる」に通じます。 つまり、呼吸が変わると心が変わりそして人生までも素敵に変化します。 「なりたい自分」になり「自己実現」が現実化し輝きに満ちたライフワークを送ることが出来るようになります。 深くてゆっくりとしたおおらかな呼吸を意識し実践してみましょうね!!

                       かわい接骨院・じょんのび治療室主宰                                                              川合 晃生

《参考文献》 『呼吸で心を整える』          フォレスト出版        倉橋竜哉 『こころとからだを整える「呼吸法」』     幻冬舎                        丸山浩然 『心を整える「禅・瞑想」入門』          プレジデント社 『ガッテン2016Vol.31夏』                主婦と生活社 『ゆほびか2015 4月号』                マキノ出版 『日本経済新聞「緊張の春、呼吸法で乗り切る」20163/26』                小長井絵里

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くるくる保健室No .24『アンガーマネジメントとマインドフルネス』2021年03月31日(旧サイトより再掲)

みなさん!ついカッとなってどなってしまったことはありませんか? 逆に気持ちを押しこらえて、「あのとき怒っておけばよかった」と後悔したことは、ありませんか? 時代はコロナ真っ只中、コロナ警察が目を光らせ我々の行動を常に監視したり、インターネットの普及に伴って、叩くネタはいつでも満載、毎日SNS上のどこかで炎上騒ぎが勃発しております。 今回のくるくる保健室は「怒り」を取り上げたいと思います。 1.怒り

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