コロナ禍による緊急事態宣言が解除されて間もない10月11日、山口県の国立山口大学工学部から3名の方が氷川台自治会に来訪しました。「農とまちづくり・コミュニティーガーデンの研究」のテーマで卒業論文をまとめるとのことで、実践例のモデルとして当自治会の農園の実情を知りたいということで、卒論を書く学生さんと、指導教官である教授と准教授の3名の来訪となりました。
山口大学工学部
視察団の教授・准教授お2方が設計に関わって、今夏オープンした工学部図書館・カフェも併設
2012年、空き家・空き地有効利活用で生まれた「氷川台農園」は、3か所に増えましたが、5年後には宅地化により消滅しました。しかし3年を経て、その農園が場所を変えて復活し、旧農園同様、「農夫の会」の働きで、耕作・種まき・苗植えから始まり、かつて人気の「いも掘り大会」で大勢の子供たちを喜ばせることができるまでになりました。
今年3月26日、都市未来推進機構主催の「エリアマネジメント実務勉強会」がオンラインで開催され、その講師の1人として当自治会の殿田顧問が参加しました。同じ講師に前述の山口大学・准教授も参加し、その縁で、自治会の農園活動を知るところとなり、担当学生の卒論テーマの実践例として、氷川台視察につながりました。8月初旬准教授からの視察依頼メールが殿田顧問に届いたその日は、奇しくも殿田顧問逝去の当日でした。
視察の件は林自治会長に引き継がれ、その後メールによる打ち合わせが10数回やり取りされ、緊急事態宣言の解除を待って10月11日に実現しました。事前には、アンケート用紙も送られ、自治会全員(家族含め1千人)に配布しました。
アンケート用紙表紙
視察前日に、東久留米駅前のホテルに宿泊した3名の視察団は、当日9時に自治会館に到着、林会長・馬場広報から、自治会の活動・農園開設の経緯等の説明を受けました。この日は農夫の活動日だったので会館近くの農園を視察します。
プロジェクターを使って林会長の自治会活動説明
農園視察
農夫に質問
昼前、パン販売が始まり、視察団の昼食はパンに・・会館は現在飲食禁止中なので中庭のベンチで・・・
パンを購入に来た会員と歓談
昼食後は、農夫への個別聞き取り調査です。現在農夫は7名ですが活動中の6名にそれぞれ1人ずつ30分をかけて聞き取りをします。
最初の聞き取り・・・話が弾んで、離れていたテーブルを寄せて・・・
農夫からの聞き取りは、通り一遍でなく、話が弾んだようで、この日2名の持ち時間を超えて終了しました。その後、林会長の案内で、自治会内を視察。旧農園のあった、現在は家の建っている場所などを見て、最後に「自治会総会はどこで?」の質問の答えの聖グレゴリオの家へ。小型ながら世界有数のパイプオルガンのある聖堂へ、許可を得て案内しました。建築学が専門の教授は、オルガンもさることながら、大谷石作りの建物に興味を持ったようで、職員の方に質問攻め、聖堂以外の音楽室等を案内してもらうことになりました。何時も使わせてもらっている当方も初めて見るところばかりで、建築に加え宗教音楽研究所としての貴重な資料や楽器に、宝物のような施設なのだと認識を新たにしました。
旧第3農園前で・・・
聖グレゴリオの家聖堂
聖グレゴリオの家の建築資料を見ます・・・
音楽室ごとにパイプオルガンがあることにビックリ
1日目は、これで終了。教授・准教授はホテルに戻って、リモート講義をするということでした。この日は連泊して、翌日も、午前中に残る4名の農夫からの聞き取りです。1名30分では足りないようでした。
2日目の聞き取り
今回の山口大学視察団の来訪は、氷川台自治会にとって初めての経験でした。過去に何度も視察団の来訪はありましたが、事前の打ち合わせは、日時と知りたいテーマのみで、所要時間も2時間程度のものが大半でした。
山口大学視察団は、事前の打ち合わせから計画的で、特に事前のアンケート用紙送付はかつてなかったことです。自治会では、その熱意に打たれ、全面協力し受け入れました。まとめられる論文でどのような評価を受けるか楽しみでもあり、それが自治会の今後の発展に資するとともに、他のコミュニティの参考になって欲しいと期待しています。
氷川台自治会