「フレイル」・最近、よく耳にする言葉です。
くるねっとは、「フレイル」という言葉に不安を抱く方やもっと知りたいと
思う方は、数多くいるのではないか、と考えました。
第14回くるねっと特別講演会のテーマを「フレイル」と決めて開催しました。

特別講演会は、明治薬科大学 石井文由教授を講師にお迎えして「健康で元気な100歳」を目指して頂くために「フレイル」とは何か、「フレイル」の予防や「フレイル」が気になる方には改善方法などをお話して頂きました。

【講演を前に】
講演会の司会進行は、生活文化課 安井係長にお願いしました。
先ずは、くるねっとの石川代表からの挨拶です。テーマに「フレイル」を取り上げた理由や、この特別講演会が多摩六都科学館の協力を得て実現できたことなどをお話させて頂きました。
富田市長様からお言葉を頂きました。講演の内容の大切さ、また、こういった講演会を開催した「くるねっと」の活動を評価して頂きました。

司会から、石井文由教授のプロフィールが紹介され、開講です。
講演は「フレイルとは何か?」から始まりました。

【フレイルとは】
先ずは、「フレイル」とはどういった状態のことをいうのでしょうか。詳しいお話をして頂きました。

心身ともに働きが弱くなってきた状態を「フレイル(虚弱)」と言い、それは、健康な人と介護が必要な人(要介護)とのちょうど中間に当たります。その時の症状について様々な事例を含めてお話をして頂いて、「フレイルとは?」を確認しました。

「フレイル」になる原因について、その一つは年齢を重ねることで生じる基本的な運動機能の衰え(ロコモティブシンドローム)や筋肉量が減り(サルコペニア)運動量が低下してしまうこと。そして、それらを原因として外出の機会が減り、社会との関りを無くすことも「フレイル」になってしまう原因の一つ。
「フレイルとは?」何か、そして、「フレイル」になる様々な原因をお話して頂きました。
【フレイルの予防と改善】
「フレイル」になる原因が見えてきたところで、次に、それを予防、改善する、いくつかの方法を教えて頂きました。「フレイル」予防と改善は健康寿命を延ばすこと、そのためにどういった生活をすればよいのか、自らが努力しなければならないこととは何かを、講師がまとめてくれました。
そして、大事なこととは、努力すれば「フレイル」から健康な状態へ戻れること、しかし、「フレイル」から要介護へ進んでしまうと「フレイル」へ戻ることは難しくなってしまいます。

先ずは、栄養バランスの取れた食事の大切さ、そして、筋肉量を付け、体力を持続するための適度な運動が必要とのこと。食事については適切な食材について提案があり、適度な運動については、効果的な運動を指導して頂きました。
高齢者は、身体機能や筋肉量が低下していることから、特に運動については自らが体を動かそうととする努力が必要とのこと。
そして、もう一つ大切なこととは、家から外に出て様々な活動に参加するなどしてして、社会との関りを継続し、いろいろな人達とのおしゃべりも予防の一つとのことでした。

写真は、握力測定中の参加者とスタッフの方による体操指導を体験中の参加者。
【機能チェック】
参加の皆さんに、筋肉量の目安となる握力測定と簡単な質問に答えて頂き、「フレイル」への注意度をチェックしました。
・・・<あなたは大丈夫?>・・・
結果は直ぐに集計されて、講演の最後に発表されました。
その結果は・・・参加者51名のうち「気を付けましょう。」の方が数名いましたが、そのレベルは低いもので、全員、心配は無さそうです。自分の状態を把握しておくことの大切さを教えて頂き、健康を維持する努力(フレイル予防)は常に必要ということを忘れてはいけないことを教えて頂きました。
元気に生活していくための「機能チェック」の結果が発表されて、今日の講演会を終わりました。
【セルフメディケーション】
講師は、健康を自分自身が管理して病気にかかっても自らが手当できる様にする「セルフメディケーション」を提案しています。薬に頼らない、自らの努力で健康を取り戻すことなど、その事例をお話して頂きました。
多摩六都科学館には、講師のコーナー(写真)が設けられていて「セルフメディケーション」を分かりやすく解説しています。

くるねっと主催の「多摩六都科学館ツアー」で科学館を訪れた時、このコーナーで「フレイル」という言葉に接し、講演会のテーマに決めました。講師を紹介して頂くなど、多摩六都科学館に協力をして頂いて今回の講演会が実現しました。
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【講演会を終わって】
講演会への参加者は、51名(満席:くるねっとのメンバーを除く)でした。参加した方達たちの平均年齢は76歳、最高齢の方は90歳でした。参加の皆さん、講師のお話に、最後まで熱心に耳を傾けて頂けました。
多くの皆さんに協力して頂いたアンケートの集計結果でも、75%の方々が「フレイルを感じたり、フレイルを不安に思う」と回答していました。日常生活の中で「フレイル」が気になっても、改善策が見出せないでいた方々が多くいたのではないかと思われ、講演を終わって、その答えが見えてきたのではないかと思います。今回の講演が意義あるものであったと感じています。
活動紹介:くるねっと