🔶開講
司会進行は、くるねっとの得平副代表が務めました。
主催者からの挨拶です。くるねっと石川代表から、講演開催までの経緯、目的などをお話させて頂き、東久留米市 並木市長様からは、素晴らしい講師による、価値の高い講演であることなど、また、講演を実現させたくるねっとの活動を評価して頂きました。
講演は二部構成で、第一部が「ビッグバンの発見」と「ブラックホールを撮影する」、休憩をはさみ第二部は「ETの世界を探す」です。最後に参加した皆さんからの質問をお受けしました。
司会から、多摩六都科学館 髙柳雄一館長のプロフィールが紹介され、講演が始まりました。
🔶講話 「私たちが星空から学んだこと」
お話の内容を簡単に紹介します。
◇ビッグバンの発見
お話は、美しい星空の映像から始まりました。昔の人々が星空に抱いた好奇心は、やがて、星空の彼方には銀河の世界が広がることを知り、人々の好奇心は銀河の世界へ向けられます。
遠ざかる銀河や宇宙からの不思議な雑音など、銀河の世界での数々の発見と新たに生まれた数々の謎、それらの謎を一つ一つ解き明かしてきた結果、見えて来たのは138億光年彼方の宇宙の姿、それが「ビッグバン発見」につながったとのこと。
現在、宇宙は138億年前のビッグバンによって誕生した、とする説が有力で、138億年の宇宙の歴史や宇宙の構造が解き明かされてきているとのことです。
宇宙の歴史と構造を示す図を投影(写真⇩)して説明して頂きました。
◇ブラックホールを撮影する
存在が予言されていたブラックホール、光も抜け出せない天体のため見ることも出来ず、その存在は謎のままでした。やがて、重力波など、その存在を裏付ける観測に成功します。
次への挑戦は、「ブラックホールを撮影する」ことでした。
はるか遠くの宇宙にあって見えない天体を撮影するには、さらなる工夫が必要であったとのこと。
2019年、ブラックホールの陰を撮影することに成功します。写真は、その姿を明らかにした最初の写真です。その撮影は、世界の科学者の協力、そして、地球の直径と同じ大きさにもなる巨大な仮想の電波望遠鏡を作り上げる工夫があって、実現させることが出来たとのこと。
◇ETの世界を探す
我々の地球がある天の川銀河には、太陽と同じ恒星が、およそ2000億個もあるとのこと。昔、その中に発見した系外惑星へ大きなアンテナを向けて交信を試みたが、交信は実現しなかったとのことです。
<系外惑星=太陽以外の恒星を公転する惑星のこと>
現在も、系外惑星での生命誕生を探る挑戦は続いており、観測技術の向上もあって、既に発見された系外惑星の数は、5000個を超え、その中に、ハビタブルゾーンを公転して生命誕生の可能性がある惑星が発見されているとのこと。
生命誕生の可能性とは、その惑星には液体の水があり地球と同じ様な環境が整っているのではないかと予測されること。
生命誕生の可能性がある系外惑星が発見されたことで、次への挑戦は、知的生命の可能性を探ること、今も、地球外文明「ETの世界を探す」挑戦は、多くの科学者により続けられているとのことです。
最後に、多摩六都科学館エントランスにある「惑星探査機ボイジャー」のお話がありました。
ボイジャーは、知的生命へ向けた地球からのメッセージを持ち、太陽系を離れ、今も広い宇宙の中を飛行しているとのこと。
何時か、何処かで、ETと出会いメッセージを伝えることが出来る様、祈りたいと思います。
<ここでお話を終わり、質疑応答へ>
◇質疑応答
コロナ禍でマイクを使えないため、質問内容をメモに書いて頂く方法をとりました。質問には、
・宇宙には何個くらいの星があるのか、また、年間何個くらい発生し、消滅しているのか?
・宇宙で太陽の光は惑星の何処まで届くのか、海王星から太陽は見えるか?
・天の川銀河も、ものすごいスピードで宇宙を移動していると聞くが、宇宙に限りはないのか?
などなど、専門的な内容の質問もありました。
限られた時間の中、全ての質問への回答は出来ませんでしたが、館長様から可能な限りお答えして頂きました。
🔶最後に
多摩六都科学館 髙柳雄一館長をお迎えし、人々が星空へ抱いた好奇心をきっかけに始まった宇宙への挑戦、人々の限りない好奇心と探求心によって解き明かされてきた宇宙の謎、そこから見えてきた最新の宇宙のお話をして頂きました。
私たちは、宇宙誕生からの壮大な時間の流れや想像も出来ない程の宇宙の大きさを実感し、また、宇宙の不思議や神秘にも触れることが出来ました。
そして、普段の生活の中で、「不思議」や「疑問」に気付いたら、そのままとせず、図書館などで自分で調べたり、科学館へ駆け込むもよし、それを解き明かそうとする探求心や行動を起こすことを忘れてははならない、と感じさせるお話でもあった様に思いました。
最後に、館長様のお言葉をお借りして。
「星空に抱く人間の好奇心は、科学する心の灯をともし続ける。」
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□活動紹介に使用した写真は、多摩六都科学館の了解を得て掲載しています。
活動紹介 : くるねっと