今回のモチーフは「なす」。秋になるとやわらかく、美味しくなる「秋茄子」を描きます。
なす紺とも言われる独特な深い色合いの「なす」を、オイルパステルで何色もの色を重ねて表していきます。
今回も、新型コロナウイルス感染対策のため、参加人数を制限しての開催となりました。
講座の始まる前、くるねっとの石川代表から挨拶、くるねっとの活動などを紹介させて頂きました。
今回で8回目となる「臨床美術体験講座」、講師は何時もの臨場美術士・天本啓子さん、くるねっとの会員です。 毎回、新たなテーマで取り組む講座に、既に臨床美術を経験する参加者は期待を、初めて参加の方は少々の不安を持ち、緊張しながらの参加となりました。
先ずは、テーマ「秋茄子を描く」では、オイルパステルを使って描くことなど、講師からの説明を受けて講座がスタートしました。
<アプローチ①・オイルパステルを使う>
オイルパステルの使い方がポイントとなる今回の講座では、その使い方に慣れていることが必要となります。参加者は講師の指導で、細い線や太い線、塗りつぶしなど、自由に描き、また、色の重ね塗りでは重ねた部分がどんな色に変わるのかを確認し、オイルパステルの使い心地を確かめました。
<アプローチ②・「なす」を実感する>
講座のモチーフは「なす」。臨床美術では、「なす」の色や形に注視するだけでなく、「なす」そのものを感じ取ること(実感する)が大事です。
講師が示す、なすの種類や花、収穫前のなす(絵や写真)などの目から入る情報に加え、耳から入る情報、例えば「秋茄子は嫁に食わすな。」という言葉を聞いたことがあると思いますが、これも情報の一つです。
色々な角度から「なす」を実感することが出来ました。
<制作・秋茄子を描く>
オイルパステルの使い方に慣れ、「なす」を実感できたところで、これから描く「なす」を選びます。色や形、大きさ、感触を確かめ、気に入った「なす」を選びました。
机に茄子を置いて、方向や角度を変えて、自分が描く「なす」の形が決まれば準備完了なのです、が、何故かそこにカットされた「なす」が、・・何故?
臨床美術では、「なす」の形や色から描き始めるのではなく、中身の色から描き始めます。カットされた「なす」が用意されていた意味が分かりました。
参加者は、講師が描く様子を見ながら、用紙にオイルパステルで色をのせて行きました。
次に、外皮の色「なす紺」を描いて行きます。
オイルパステルには「なす紺」と言われる色は無く、参加者は自分の感覚で何本かのオイルパステルを選び、何色かの色を塗り重ね、その色に近付けます。が、しかし、なかなか簡単には色を作り出せない様子、試行錯誤を繰り返す参加者も。
何色もの色を重ねて塗り、何とか「なす紺」と言われる深い味わいのある色に近づいてきました。
皆さんそれぞれの「秋茄子」が描き出されました。
<鑑賞会>
仕上がった「秋茄子」を用紙から切り取り、色の紙と合わせて台紙に貼り「秋茄子を描く」の完成です。全員の作品を前の黒板に貼りだし、講座最後の鑑賞会を行いました。
臨床美術では、作品に上手、下手はありません。作者が最初に実感した「なす」を作品に表現しようとする思いを持つことが大切です。
鑑賞会では、講師が作品を一枚づつ手に取り、その作者を紹介します。作者は、「なす」をどう感じ取り作品に仕上げたか、作品への思いを話しました。「秋茄子を描く」のプロセスを共有してきた参加者は、作者の話に共感するものを感じていたのではないかと思います。
作品に自信がないと言っていた参加者も、鑑賞会が終わる頃には、自分の作品に満足されていたのではないかと思います。
和やかな雰囲気の中で進められた臨床美術体験講座でした。作品は、それぞれ参加者が家に持ち帰り家の飾ったことと思います。
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最後に、皆さんの作品を紹介します。
活動紹介 : くるねっと